革の手入れ方法
天然素材である革は、使うほどになじんで、革としての良さが出てきます。
合成皮革など、購入時から、使う程に品質劣化が顕著に現れくる素材と違い、使い方次第ではまさに一生ものになりえる素材。それこそが天然皮革なのです。
そんな一生ものともいえる天然皮革ですが、タンパク質からなる革にはデリケートな面もあり、長年にわたってお付き合いいただくためには、正しい使い方をと、手入れが必要です。
ここではそんな革との付き合い方に関していただいたお問い合わせと、答えをご案内します。
レザーケアQ&A
Q1.財布のお手入れ方法を教えてください
普段は、柔らかい布で乾拭きやブラッシングをしてホコリを払う程度で大丈夫です。チリやホコリ・汚れをため込まないように心がけるのが一番ですが、手垢や汗等で汚れがひどい場合は、指定のクリーナーを布につけて軽く拭くと良いでしょう。
その場合は必ず底や端など目立たない箇所を濡れタオルで試し拭きし、異常がないことを確認してから、クリーナーを使用するようにしてください。革には元々動物の皮膚が持っていた脂分や、製造の過程で染みこんだ脂分が含まれています。これらの脂分は時間を経て徐々に揮発してしまい、革にひび割れ等をもたらす原因となります。そうならないためにも、定期的にメンテナンス用のオイルで油分を補給しましょう。
Q2.バッグのお手入れ方法を教えてください
汚れの防止方法としては、防水スプレーをご利用いただくことが有効です。その際は革の材質にあったスプレーをご利用下さい。
汚れやシミがついてしまった場合は皮革用クリーナーでふきとります。その際には革の種類にあったクリーナーか、事前によく確認をしてください。次に保革用クリームをやわらかい布につけ、入念にすりこみながら磨きます。
この場合、クリームをつけすぎると色が衣服に染まることがありますので、少量を薄めにつけて下さい。みがき終わったら1~2時間風通しのよい所へおき、中側まで完全に乾かします。そのあと清潔なガーゼか柔らかいネル地で長時間、軽くこすって仕上げます。
Q3.バッグの保管方法を教えてください
長期で使わない場合には、手垢や汗などの汚れを除去しておく事でカビの発生を予防します。また、天気のいい日に半日ほど陰干しし、水分を減らした後、柔らかい布で拭くかブラッシングして保管します。
保管場所は、湿気やほこりの少ないところを選んでください。
型くずれしないよう、中に紙などの詰めものをして型を整え、ほこりを防ぐため袋に入れて保管すると良いでしょう。ビニールは湿気がたまり、カビの発生の原因となる場合があるため避けた方が無難です。
お手入れをすませた後、十分陰干しをして風通しの良いところにしまっておきましょう。
ナフタリンなどの防虫剤は直接触れると変色などの原因になる場合があるので注意が必要です。革製のかばんは、お手入れや保管の際の行きとどいた心配りが大切です。靴と同様、型崩れや痛みを防ぐために、時々休ませる必要があり、複数のカバンを交互に使用するのが理想的な使い方です。
Q4.色や商品によってのケアの方法は異なりますか?
淡い色などは汚れがつきやすいため、予防のための防水スプレーがお勧め。
アパレルでは特に襟回り、袖口、ポケット口などは、汗などでも汚れやすい部分です。
専用の汚れ落しを使うのも手ですが、着用の際、襟回りにスカーフやマフラーを巻いて汚れを防ぐのも予防のためのテクニックです。
Q5.色落ちすることはありますか?
レザーは吸湿性、通気性に優れ、その特長と表面の風合いを活かせる染色方法で仕上げているものが多く、完全な色止め囲うが難しい素材です。
水分に弱く、また気温、湿度、摩擦などにより、色落ちや他の物へ色移りする可能性があります。商品の染色方法や色などにより色移りの程度は異なります。
また新しいスエードやヌバックは、ムダ毛が衣類へ付着することがあります。
最初のうちはなるべく同系色のインナーを使うなどの工夫が必要です。
濃色のものは色落ちしやすいので、コーディネートにご注意ください。
レザーとニットなど、繊維との組み合わせも、色の激しいものはご注意ください。色落ちの可能性があります。
Q6.ヌメ革の手入れを教えてください
柔らかで味のある材質ですが、しみになりやすいのがヌメ革の特徴です。使用前には防水スプレーで汚れなどの防止をしてください。汚れを落とす際には消しゴムタイプのクリーナーがお勧めです。
Q7.雨や水濡れの対策を教えてください
雨に濡れてしまった場合は、すぐに乾いた布で叩くようにして水分を拭き取り、風通しの良いところで陰干しします。
バッグなどは詰め物を、アパレルは厚みのあるハンガーで形を整えておくと型崩れ防止になります。
ぬれた革は熱に弱いため、直射日光やドライヤー、アイロンなどで急激に乾かすと革が硬くなったり、縮みの原因になります。変形を避けるためにも形を整えて乾かしてください。
一度中まで水分の浸透した革は革の脂分が不均一になり部分的に硬くなる場合があります。
その際は素材にあった種類のクリームを選び、柔らかい布で軽く刷り込んでください。 その際はクリームの付けすぎによる色落ちに注意をしましょう。
Q8.カビが生えてしまったら?
レザーはカビに弱く、変色の原因にもなります。長期で使わない場合には、手垢や汗などの汚れを除去しておく事でカビの発生を予防します。
また、天気のいい日に半日ほど陰干しし、水分を減らした後、柔らかい布で拭くかブラッシングして保管します。もしカビが出てしまったら表面はカラ拭き、スエードはブラッシングで取り除いて下さい。
Q9.ジュース・油、その他の汚れがついてしまったら?
汚れは見栄えを損なうだけではなく、カビの原因にもなります。 特に油、ジュースなどはシミの原因となるので、速やかに乾いた布でたたき取ってください。 基本的には汚れを落とすクリーナーと保革のクリームをあわせて使用します。 革の種類によってメンテナンスのためのクリーム等が異なるため、 適切なものかどうか確認し、使用前に目立たないところで試してみることをお勧めします。